お客様がどのITツールを使い、継続して使い続け、乗り換えるかを決める際に大きな決め手となっているのは、「他のアプリとスムーズに連携できるか」です。そのため、製品連携の進め方に関する戦略は、製品のメイン機能の開発計画と同様に重要になります。しかし製品開発チームの多くは、場当たり的な対応を続けています。
顧客に要望されてからや連携での不便さが限界になってから慌てて対応していては、競合に勝つことはできません。さらに、こうした「その場しのぎ」の対応は、後の修正作業(技術的負債)を増やし、新機能のリリースが遅れるなど、事業拡大を妨げる恐れもあります。
この問題を解決するには、連携を「単発のプロジェクト」ではなく、製品の成長を支える「重要な戦略」として捉えることです。きちんとした戦略を立てれば、どの連携を優先すべきか、それが製品の将来にどう役立つかが明確になります。さらに連携機能をあらかじめ開発計画に組み込んでおくことで、製品の価値を高めていくことができます。
製品連携とは?
製品連携とは、自社のアプリを他のアプリやシステム、データとつなぎ、顧客が行っている業務の流れ(ワークフロー)を支える仕組みのことです。このつなぎ方には、自社の開発チームが一から作り上げる方法もあれば、外部の専用プラットフォームを製品に組み込む方法もあります。どのような方法でつくる場合も、ゴールは一つです。それは、「顧客がすでに使っている環境の中に、自社製品を自然になじませること」です。
なぜ製品連携戦略が必要なのか
製品連携戦略とは、どのツールとつなぐべきか、それが製品の目指す姿にどう役立つかを整理した「明確な指針」のことです。その場しのぎで要望に応えるのではなく、あらかじめ「何を優先し、どう設計するか」という基準を持っておくことで、開発も運用もスムーズになります。これは、製品の規模が大きくなるほど重要なポイントになります。
戦略がしっかりしていれば、急な対応や場当たり的な開発による「技術的負債」を防ぐことができ、導入したその日から顧客に喜ばれる「質の高い連携」を提供できます。さらにその効果は、開発スピードの向上や問い合わせ対応の削減、顧客満足度の向上といった形ですぐに現れます。また、業界内での存在感を高め、競合他社との差別化にもつながります。つまり、優れた連携戦略は単に「足りない機能を埋める」ためのものではなく、製品を「選びやすく、使いやすく、拡張しやすい」ものに変え、ビジネス全体の成長を後押ししてくれるのです。
開発計画(ロードマップ)と連携機能を一致させる方法
連携機能は、製品のメイン機能とあわせて計画することが大切です。別々の作業として扱うのではなく最初から一緒に考えておくことで、製品全体の目指す姿をより明確にすることができ、技術的負債も防ぐことができます。こうした意識を持つことで、すべての連携機能が「顧客へのメリット」につながり、競合に対する強みとなり、製品が目指す方向性をしっかりと示すことができます。
連携機能を計画に組み込む際は、客観的なデータに基づいて判断することが重要です。
ユースケースを明確にする
まずは、顧客が実際にどのように仕事をしているかを把握することから始めます。顧客が日常的に使っている業界標準のアプリや、パートナー企業との連携、業務の流れ全体を見て、どこに連携の必要があるかを見極めます。
ビジネス価値を見極める
次に、客観的なデータに基づいて優先順位を決めます。具体的には、既存顧客の数、売り上げへの影響、パートナー企業との関係、さらに問い合わせの数や競合他社の状況など、数字や事実を基準に判断します。
開発計画の優先順位を決める
決まった優先順位を製品の長期的なビジョンに当てはめていきます。れぞれの連携を「一度きりの作業」で終わらせず、製品の強みを高め、将来のさらなる進化につながるステップとして計画します。
優先順位が決まったら、自社で開発するのか、あるいは外部の専用プラットフォームを活用してスピードやメンテナンスコスト重視で進めるかを判断します。同時に、公開後のメンテナンスやサポート体制、パートナー企業との協力体制についても、あらかじめ計画を立てておきます。連携機能を適切に管理し必要な予算や人員を割くことで、製品が成長しても「使い勝手の悪い古い機能」にならず、長く信頼される機能を提供し続けることができます。
質の高い製品連携戦略に欠かせないもの
優れた戦略を支えるのは、しっかりとした技術基盤と「自社製品が世の中のシステムの中でどう役立つか」を理解することにあります。まずは、適切な設計が不可欠です。整理されたAPIや、組み込み型のiPaaS、イベントドリブンな仕組み、そして規模が大きくなっても一貫性のあるガバナンスですを整えます。また、主要なパートナー企業やシステム環境と足並みを揃えることで、業界内での自社の立ち位置をより確かなものにします。
技術的な面だけでなく、顧客の使い心地も重要です。連携機能がすぐに見つかり、設定や操作も簡単で、まるで自社製品の機能の一部であるかのように自然に使えるデザインを目指しましょう。最後に、信頼を守るためにセキュリティやデータ管理のルールを徹底します。これらを徹底することで、製品が成長し連携機能が増えていっても、常に安全でメンテナンスしやすい状態を保つことができます。
製品連携戦略の始め方
いきなり連携を増やしたり、計画を詰め込む前に、まずは「どこから手をつけるか」を明確に決めることが大切です。これから紹介するステップに沿って進めることで、その場しのぎの対応から卒業し、将来を見据えた計画的なスタートを切ることができます。
- 現状を正しく把握する:まずは、現在動いている連携機能がどれくらい活用されているかを調べます。同時に、メンテナンスに手間取っている箇所や、動きが重くなっている部分がないかも洗い出します。この「現状診断」を行うことで、今の強みと、改善すべき課題がはっきり見えてきます。
- 顧客のニーズを見極める:顧客が普段どのような流れで仕事をし、どのアプリを組み合わせて使っているかを分析します。営業現場の声やサポートへの問い合わせ内容も参考にしながら、「どのツールとつなげば、顧客に最も喜ばれるか」を見つけることで、ニーズの高い連携を特定することができます。
- 判断のルールを作る:売上への貢献度、開発の手間、製品の将来像に合っているかといった視点で優先順位をつることで、常に一貫した判断ができるようにします。
- 最適な連携プラットフォームを選ぶ:自社で開発するのか、あるいは組み込み型のiPaaSを活用するのか、最適な方法を選びます。開発スピードや社内の人手、そして目指すべき目標をふまえて効果的なものを選択します。
- 最初の連携計画を立てる:優先順位の高い連携機能を、直近のリリース計画や将来のプラットフォームへの投資計画に組み込みます。あらかじめ計画を立てておくことで、将来の成長に備えつつ、無理のない形で連携戦略を始めることができます。
戦略から実行へ:連携機能を形にするために
顧客にとって最も価値のある連携を絞り込み、開発計画(ロードマップ)への組み込みが終わったら、いよいよ実する段階です。ここで最後に決めることは、「自社でゼロから作り上げるか」それとも「専用の連携プラットフォームを活用するか」です。自社の状況に合った最適な手段を選ぶことが、顧客へいち早く連携機能を届け、製品を成長させる鍵となります。
自社でゼロから開発すれば、細部まで思い通りに作り込むことができ、自社製品にぴったりな連携が実現できます。一方で、専用の連携プラットフォームを活用すれば、開発スピードを大幅に上げられるだけでなく、高度なセキュリティ対策や、柔軟な運用も実現することができます。この方法なら、製品の成長や市場の変化に合わせて、効率よく連携を広げていくことが可能です。
「リリースの速さ」「メンテナンスの手間」「将来の拡張性」そして「顧客へのメリット」を総合的に判断しましょう。そうすることで、製品の成長を加速させ、使いやすさを向上させ、開発計画を滞りなく進めるための質の高い連携戦略を実現できるはずです。
Boomi Embeddedが支える、次世代の製品連携戦略
優れた製品連携戦略も、それを大規模に実現できる「基盤」がなければ真の価値を発揮できません。そこで役立つのがBoomi Embeddedです。これは、製品チームが連携機能を製品の一部として設計・提供・管理するために開発された、専用のプラットフォームです。個別に接続機能を作ってはその都度メンテナンスするような、手間のかかる作業はもう必要ありません。柔軟で拡張性の高いプラットフォームを活用することで、開発計画どおりに連携を進められるようになり、変化する顧客ニーズにも素早く対応できるようになります。その結果、開発やサポートチームの負担も大幅に軽減されます。
Boomi Embeddedを導入すれば、連携機能は「付け足しの作業」ではなく、製品の成長を加速させる武器へと生まれ変わります。初めて連携に取り組む場合も、既存のやり方を見直す場合も、Boomi Embeddedなら戦略をすぐに実行に移せます。今の市場で勝ち抜くために必要な「スピード・管理・拡張性」を同時に実現できます。
さらに詳しく知りたい方は、ガイドブックさらに詳しく知りたい方は、ガイドブック『Build or Buy:製品連携戦略を成功させるためのガイド』をぜひご覧ください。連携を成功させるための具体的なステップを詳しく紹介しています。