「ホットヨガで汗を流した後に、ITコンサルティングの案件が決まる」そんな話は、めったにあるものではありません。しかし、NITCOのランス・シーリー氏には、実際にそんな偶然が訪れました。
ヒューストン近郊のスタジオで、彼の妻はインストラクターをしていますおり、あるレッスンのあと、ランス氏は同じく疲れ切った参加者の男性と、冷たい飲み物を片手に雑談をしていました。なんとその相手は、売上高10億ドル規模を誇る建設機械メーカーのCOO(最高執行責任者)だったのです。
ランス氏がデータ連携やAPI管理を専門とするIT企業の営業部長だとわかると、彼はこう尋ねてきました。「MuleSoftについて、どう思いますか?」
ランス氏は率直に、「長い目で見れば、コンサルティング費用がとんでもない額になりますよ」と言いました。すると彼は、「やっぱりそうですか。実は今、コンサルタントを入れているんですが、時間ばかりかかって費用が膨れ上がっているんです」と言い、「新しいERPシステムへの移行も重なり、現場はもう限界寸前だ」というのです。
ランス氏は彼に、「システムやプロセスの統合基盤として、MuleSoftからBoomiへの移行を検討するには、まさに絶好のタイミングではないか」と提案しました。それから2カ月後、また別のヨガレッスンの後で、そのCOOは「実は来週から、Boomiを使ったプロジェクトを始動することになった」と明かしてくれました。間もなくして同社は、拡大するBoomi連携の管理を任せるため、NITCOをパートナーとして選んだのです。
今回私たちは、ランス氏に加え、NITCOのビジネス開発マネージャーであるブライアン・ヘック氏に話を聞きました。NITCOがどのようにグローバル企業の多岐にわたるDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援しているか、MuleSoftのような「コード重視(Code-heavy)」なアプローチが抱える限界、そしてBoomiが持つ「ローコード/ノーコード」の優位性について語って頂きいました。本記事では、そのインタビューの内容をわかりやすく編集してお届けします。
NITCOが提供する価値について、もう少し詳しく教えていただけますか?
ランス・シーリー:私たちはヒューストンを拠点としており、全体で150名から200名ほどのコンサルタントを抱えています。そのうち100名以上はインドのハイデラバードに拠点を置くオフショア部隊で、ここ米国には50名強が在籍しています。私たちの強みは、この「オフショア」と「オンショア」を組み合わせた最適なプロジェクトチームを編成できる点にあります。これにより、コスト面でも非常にリーズナブルで、納得感のある価格設定を実現しています。
ブライアン・ヘック:NITCOは2008年に創業しましたが、それ以来、99.8%のプロジェクトで「納期」と「予算」を遵守してきました。 これは、一般的なコンサルティング会社の実績とは大きく異なる数字だと自負しています。もうひとつの大きな差別化要因は、スタッフ全員が「正社員」であるという点です。私たちは一時的な契約社員を使いません。なぜなら、そうした契約では、プロジェクトやお客様に対するロイヤリティが希薄になりがちだからです。もし仕事に対するコミットメントが低ければ、プロジェクトの途中で離脱してしまうかもしれません。そうなれば、蓄積された知識が失われ(ナレッジロス)、プロジェクト完了までの時間もコストも余計にかかってしまいます。正社員のみで構成されているからこそ、私たちは他のコンサルティング会社よりも効率的に成果を届けることができるのです。
お二人ともBoomiのご出身ですが、その経験はNITCOのプロジェクトに活かされていますか?
ランス・シーリー:私はBoomiでエンタープライズ担当の営業として約5年、ブライアンは3年ほど在籍していました。私たちは製品を熟知しているので、プロジェクトの進行も非常にスピーディです。あまりに早くて、お客様から「もうできたんですか?」と驚かれることも珍しくありません。また、BoomiとMuleSoftの違いを説明することに関しても、豊富な経験があります。私が営業としてMuleSoftと直接競合していた頃、もし見込み客を説得して「PoC(概念実証)での直接対決」に持ち込めれば、負けることは一度もありませんでした。なぜなら、MuleSoftにはそれができなかったからです。例えば、あるお客様へのUiPath導入コンサルティングをしていた時のことです。そのお客様はiPaaS(データ連携のためのプラットフォームサービス)を必要としており、最終候補としてMuleSoftとBoomiの2社に絞り込んでいました。そこで私は、両製品に関する自分の経験と、「MuleSoftはPoCには応じないことが多い」という話をしました。その上で、NITCOとしてBoomiを使った「無料のPoC」を実施したところ、お客様はその出来栄えを見て、Boomiのプラットフォームを気に入ってくださったのです。
企業がMuleSoftを利用する上で、よく直面する課題は何でしょうか?
ブライアン・ヘック: AIの進化に伴い、「ローコード/ノーコード」機能はあらゆるアプリケーションで主流になっています。どの企業も、ビジネスの「俊敏性(アジリティ)」と「スピード」を重視しているからです。対してMuleSoftは、手作業でのコーディングを必要とする、いわば「旧世代の技術ツール」です。ローコードやノーコードのソリューションを使えば1時間で済む作業に、100時間もかけてコードを書く必要はありません。また、コーディング自体が主流でなくなってきている現在、もし担当者が転職してしまったら、後任者が修正のために複雑なカスタムスクリプトを解読するのは至難の業です。しかし、Boomiなら仕組みがシンプルなので、人が入れ替わっても学習しやすく、ビジネス要件の変化に合わせて修正を加えるのも簡単です。
ランス・シーリー:技術的に複雑で大量のコードが必要なシステムの場合、どうしてもコンサルタントに頼らざるを得ません。すると費用は雪だるま式に増えていき、結局は「技術的負債」を抱え込むことになります。たとえ企業が「MuleSoftをやめたい」と思っても、「ここまで投資してしまった以上、もう後戻りできない」と感じてしまうのです。多額の費用をかけずに抜け出すのが難しいため、不満があっても使い続けるしかない、というケースも少なくありません。そうした企業は「おっしゃることは分かります。確かにコストは少し高くつくかもしれない。でも、うちはSalesforceを使っているし、MuleSoftも同じファミリー製品だから、このまま使い続けますよ」と言います。
BoomiとMuleSoftの決定的な違いは何だとお考えですか?
ブライアン・ヘック: Boomiの方が、導入効果が出るまでのスピード(Time to Value)が圧倒的に早いという点です。コスト面だけを見ても、MuleSoftは導入費用が高額になりがちです。サブスクリプション(利用料)も高いですし、保守やサポートにかかる費用も割高になります。また、Boomiは年に6回、自動的にアップデートされます。「シングルインスタンス・マルチテナント」という仕組みを採用しているため、すべてのユーザー環境が常に最新の状態に保たれます。MuleSoftではそうはいきません。アップグレードやメンテナンスを行おうとすると、莫大なコストがかかります。つまり、将来的な拡張性(スケーラビリティ)や運用の観点から見ると、MuleSoftの方がはるかにコストと時間がかかるということです。
ランス・シーリー:この2つの製品を比較するなら、間違いなくBoomiの方が「リスクが低い」選択肢だと言えます。
その建設機械メーカーは、NITCOとBoomiの導入を経てどのような反応でしたか?
ブライアン・ヘック: 私たちは「Boomi DesignGen」や「Boomi Scribe」といったBoomiのAI機能を活用し、すべてのシステムをつなぐシームレスな連携プロセスの設計・開発を支援しました。構築したデータフローは65に及びます。1日あたりのワークフロー実行回数は1,200回、処理量は1日25万トランザクションにも達しています。お客様は、BoomiとNITCOの仕事ぶりに大変満足されています。MuleSoftを使っていた以前の時と比べて、移行作業がいかに早く完了したか、そしてその切り替えがいかにスムーズだったかという点に、非常に驚かれていました。
市場では今、どのようなトレンドが見られますか?
ランス・シーリー:誰もが「AI」の話をしていますね。今の企業は、「本物のAI」と、マーケティング上の「見せかけのAI」の違いを必死に見極めようとしている段階です。
ブライアン・ヘック:私も同感です。私たちが直面している最大の問題は、お客様が「AIを使って何かを解決したい」という姿勢で相談に来られることです。「AIで解決したい」という意欲はあるものの、製品や環境がまだAIを受け入れられる状態にないことも少なくありません。ビジネス上の課題を深く掘り下げたり、「本当にAIで解決すべき問題なのか」を検討したりすることなく、AI導入ありきで話が進んでしまうのです。もしかすると、それはAIではなく、単なる「データ連携」や他の手段で解決できることかもしれません。しかし、「すべてをAI化し、自動化しなければならない」という思い込みが先行してしまっています。いずれはそうなる時代が来るでしょうが、今はまだ、少し先走りすぎています。多くの企業は、AIを導入するための準備さえ整っていないのが実情です。
ランス・シーリー:ですから私たちは、そうしたお客様に一度立ち止まっていただくようにしています。そして、こう問いかけます。「AIを使うことに囚われていませんか? 本当に達成したいビジネス上の『成果』は何ですか? その成果にはどのような価値があるのですか?」と。まずは明確な「ユースケース」を定義するところから始める。それが私たちの目標です。
ヨガ教室で案件を見つけるなんてこと、他にはそうないでしょうね。
ランス・シーリー: ITマネージャーがレッスンに来ること自体、めったにありませんから。
NITCO 企業概要
本社:ヒューストン
設立:2008年
従業員数:150名以上
事業内容:AI、機械学習、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、アプリケーション開発・連携、クラウドサービスなど、100以上のエンタープライズソリューションを提供。クライアントの組織的な目標とテクノロジーの目標を合致させ、整合性を図ることを専門としています。
BoomiとNITCOのパートナーシップについて:Boomi Enterprise PlatformとNITCOが持つ実装の専門知識を組み合わせることで、企業のDXを加速させます。 現在、両社は共同で約30社の顧客を支援しており、データ連携、EDI、自動化といった幅広い取り組みをサポートしています。BoomiのプラットフォームとNITCOの実装力は、顧客のDXを加速させる強力な原動力となっており、こうした背景から両社のパートナーシップは拡大を続けています。
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