オーストラリア赤十字

オーストラリア赤十字は、国内で最も広く認知されている慈善団体のひとつとして、デジタルの力を活用し、複数のサービスにわたる統一されたサービスの提供を実現しています。また、業務プロセスの効率化と標準化を図ることで、手作業にかかるコストの削減にも取り組んでいます。

ビジネス目標

100年以上にわたりオーストラリア国内で人道支援を提供してきたオーストラリア赤十字は、より多くの人々を支援するため、DX(デジタルトランスフォーメーション)に着手しました。この取り組みにより、災害救援、移民支援、応急手当トレーニングなどの人道支援サービスをさらに拡充することを目指しています。

その中核となる目標のひとつが、寄付者、顧客、ボランティア、会員、支援対象者を一元把握できる統合基盤の構築です。これにより、すべての関係者に対して一貫したサービスを提供し、より深い関係を築くことが可能になります。

統合における課題

オーストラリア赤十字は、オーストラリア国内の広範な地域、特に遠隔地を含むエリアで、多様なサービスを提供しています。こうした多岐にわたる活動を支えるためには、複数のシステムを連携し、関係者に関するデータを一貫性・信頼性・即時性のある形で整備する必要がありました。これにより、赤十字と関わるすべての人々を包括的に把握するシステムの構築を目指していました。

このプロジェクトをさらに複雑にしていたのは、募金パートナーをはじめとする複数の関係者が、それぞれ独自のプラットフォームを使用しており、それらを赤十字のCRMや財務システムと連携する必要があったことです。

Boomiの支援内容

オーストラリア赤十字が掲げるデジタル戦略の第一歩は、Boomi Enterprise Platformを活用し、オンプレミスおよびクラウドベースの基幹システムのデータをリアルタイムで連携させることでした。これにより顧客に関する包括的な情報基盤を構築できるようになりました。

現在開発が進められている新たなデジタル体験プラットフォーム「MyRedCross」では、まず定期的な寄付者に向けて、寄付履歴、領収書、年間納税証明書、コミュニケーション設定などへ即時にアクセスできる機能を提供します。今後はこのサービスを、27万人の全ステークホルダーへと拡大していく計画です。

成果

MyRedCrossの初期バージョンは、2020年8月17日にリリースされました。Boomiの使いやすいローコードのクラウドネイティブ統合プラットフォームを活用して、赤十字の基幹システムとパートナーシステムが連携されたことで、同団体は以下のような成果を実現しています。

  • 寄付者、ボランティア、会員、支援対象者に対し、パーソナライズされたサービスを提供
  • 事務作業の自動化により、より多くのリソースを支援サービスへ割り振ることが可能に
  • 将来的なデジタルサービス展開に備えた、標準化されたプラットフォームを構築

これらの取り組みは、オーストラリア赤十字のデジタル戦略の中核をなす基盤となっており、赤十字と関わる方法に変革をもたらしています。

ケーススタディ

オーストラリア赤十字がDXを推進し、27万人の支援者に最適な体験の提供を実現

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CIOの今を読み解く

オーストラリア赤十字 CIO ヴェロニカ・フロスト氏とともに、同団体が取り組むデジタル体験の追求に迫ります。本セッションでは、顧客とのつながりを強化し、「理想の姿」を目指す組織が直面するテクノロジーとビジネスの課題について深掘りしていきます。

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優れた顧客サービスを実現するには、システムとデータの統合が欠かせません。Boomiによって、顧客を包括的に把握する情報基盤を構築できました。
ヴェロニカ・フロスト氏(オーストラリア赤十字 CIO)