SAPでよくあるレガシー連携

著者 Boomi
発行日  2024年7月1日

企業のデジタル変革が進むなか、SAPと既存のレガシーシステムとの連携は、ますます重要なテーマになっています。多くの企業で基幹業務を支えるSAPは、独自のデータ形式を使う古い技術と連携していることが少なくありません。こうした連携は、保守や更新が難しい場合が多くあります。それでも、SAPに大きく投資しながら、基幹業務を支えるためにレガシーシステムも使い続けている企業にとっては欠かせません。

こうした既存の連携を見直し、最新化しようとする動きは、企業がSAPの中核ERP(Enterprise Resource Planning:企業の基幹業務を一元管理するシステム)であるS/4HANA(SAPの次世代ERP基盤:財務・調達・生産などの基幹業務をリアルタイムで統合管理するシステム)への移行を進めるなかで、特に強まっています。SAP S/4HANAへの移行は、何年、場合によっては何十年にもわたって積み重なってきた複雑なレガシー連携を整理する必要があるため、難易度の高い取り組みになりがちです。

ここからは、SAPでよくある連携をどのように最新化していくかをご紹介します。

なぜレガシー連携の最新化が必要なのでしょうか?

従来のシステムは、今やあらゆる企業が日々扱っている膨大なデータに対応できるようには設計されていません。現在のビジネス環境に対応していくには、古い連携の進め方を見直す必要があります。これまでの連携手法や手作業のプロセスを最新化することで、生産性、状況把握のしやすさ、柔軟性、そして職場の士気といった面で、目に見える効果が期待できます。

  • 業務効率の向上:レガシー連携では、古い技術や人手に頼る受け渡し作業が残っていることが多く、業務の遅れや停滞を招きがちです。これを自動化されたデジタルワークフローに置き換えることで、システム間のデータ同期を中継なしで継続的に行えるようになります。その結果、より付加価値の高い業務に時間と人員を振り向けやすくなります。
  • データ活用のしやすさの向上: レガシー環境では、情報が部門やシステムごとに分断され、全体の状況をリアルタイムで把握しにくいことがあります。データへの接点を最新化することで、複数のデータベースをつなぎ、経営層や管理者が一元的に状況を把握できるようになります。断片的な確認ではなく全体を見渡せるようになることで、より的確な意思決定につながります。
  • デジタル変革の推進:変化の速い市場で競争力を保つには、レガシーシステムへの依存も、進化するSAPの連携環境合わせて見直していく必要があります。現在のソリューションは、SAPのような基幹システムとクラウドアプリケーションをスムーズにつなぎ、新しいツールの導入を進めやすくします。市場の変化にも、より柔軟に対応できるようになります。ハイブリッド連携プラットフォーム(Hybrid Integration Platform:オンプレミスとクラウドの両方をまたいでシステムやデータをつなぐ基盤)を活用すれば、既存のレガシー連携を最新化し、レガシーデータのクラウド移行も進められます。
  • チームの満足度と定着率の向上:古い業務プロセスや手作業中心のワークフローは、現場の意欲を下げ、人材流出の一因になりやすくなります。SAP S/4HANA(SAPの次世代ERP基盤:財務・調達・生産などの基幹業務をリアルタイムで統合管理するシステム)への移行により、使いやすいデジタルワークフローを整備できれば、生産性の向上が期待できます。従業員にとっても、働きやすく成長しやすい環境となり、組織全体のパフォーマンス向上につながります。

SAPでよくあるレガシー連携

SAPを利用している企業では、特定の業務を支えるために、レガシーシステムのデータを連携する必要がある場合が少なくありません。ここでは、代表的な連携例を見ていきます。

1.メインフレーム連携

多くの企業では、財務、給与計算、物流といった重要な業務を支えるために、今もメインフレーム(Mainframe:大規模で基幹業務の処理に使われる高性能な業務システム)を利用しています。これは、これらの基盤上に長年蓄積されたデータや独自開発のアプリケーションが残っているためです。

メインフレームをSAPと連携するには、独自のデータ形式やトランザクションインターフェースを、SAPで扱える形式に対応づけて変換するためのアダプターやミドルウェアを整備する必要があります。あわせて、複雑なメインフレームの構成に加え、トランザクション管理やセキュリティも理解したうえで、相互に連携できる状態を構築しなければなりません。これにより、メインフレームへの依存を維持しながら、SAPの新しい機能も活用できるようになります。

2.カスタムERPコネクター

標準化されたERP(Enterprise Resource Planning:企業の基幹業務を一元管理するシステム)が普及する以前は、多くの企業が、自社の組織構造や業務フローに合わせて独自のデータシステムを構築していました。こうしたシステムを連携するには、SAPや他のアプリケーションから利用する必要がある独自のデータモデル、コード体系、業務ルール、そして従来の個別カスタマイズ内容を深く分析する必要があります。

データマッピングにより異なるスキーマ(Schema:データの構造や項目定義)を対応づけ、変換アダプターによって独自形式のデータを標準的な形式へ変換できます。さらに、連携テストによってシステム間のデータ品質を検証します。これにより、カスタムERPが支えてきた独自業務を維持しながら、必要なデータをAPIデータレイヤー(API Data Layer:APIを通じて必要なデータを横断的に利用できるようにする接続基盤)経由でSAPへつなぎ、情報の一元把握や新しいアプリケーション活用につなげられます。

3.POS連携

POS(Point of Sale:販売時点で売上や在庫情報を記録・管理する仕組み)は、顧客情報や在庫情報をリアルタイムで取得できますが、SAPとは異なるデータベースを使っていることが一般的です。そのため、連携ではPOSとSAPの間で双方向にデータを複製・同期できるよう設定します。

アダプターを使えば、POSデータを変換し、決められた間隔でSAPに取り込めます。また、インターフェースを通じて、商品情報や価格表など、SAP側の必要なデータをPOSへ反映することもできます。これにより、取引データと業務データを一体で活用できるようになり、分析、サプライチェーン管理、顧客関係の強化に役立ちます。

4.レガシーデータベース連携

連携を進めるには、まずレガシーデータベースの設計書を確認し、スキーマ(Schema:データの構造や項目定義)、エンティティ(Entity:管理対象となるデータの単位)、属性、そしてそれぞれの関係性を把握する必要があります。そのうえで、必要なデータを定期的に移行または同期するためのETL(Extract, Transform, Load:データを抽出・変換・格納する処理)を設計します。

認証と権限設定により、許可された利用者だけがアクセスできるようにします。また、データ品質の確認や例外処理によって、不整合にも対応します。こうしてレガシーデータベースに蓄積された情報をSAPと連携することで、活用できる情報資産を広げられます。

5.ドキュメント管理の自動化

レガシーシステムに保存されているドキュメントは、まずインデックス作成に必要なメタデータや、検索しやすくするための分類項目を整理・分析します。そのうえで、必要なときにドキュメントへアクセスできるコネクターを用意し、レガシーシステム内の新しいドキュメントをSAPへ自動登録できるようワークフローを設定します。これにより、担当者はアプリケーションを切り替えることなく、SAPから直接ドキュメントにアクセスできるようになり、ドキュメント管理を1つの基盤に集約できます。

SAP連携のベストプラクティスに沿って進めることで、重要な既存連携を維持しながら最新化を進め、レガシーシステム全体の一体運用を実現しやすくなります。

BoomiはSAPとどのように連携するのか

多くの企業では、SAPをメインフレーム、カスタムERP、POS、データベース、文書管理プラットフォームと連携して活用しています。こうしたレガシー連携は、重要な既存業務を維持しながらSAPの価値を引き出すうえで欠かせません。

Boomiは、エンタープライズ向けiPaaS(Integration Platform as a Service:複数のシステムやデータをクラウド上でつなぐ連携基盤)として、こうした複雑なSAPのレガシー連携をシンプルにするための、強力で直感的なツールを提供しています。ドラッグ&ドロップで操作できる画面により、異なるシステム間のデータの対応付けや変換を、専門的なコーディングに頼らずスピーディーに実現できます。その結果、従来に比べてコストを抑えながら連携の刷新が可能です。

Boomiは、現代のデジタル企業に求められる、リアルタイムかつAIを活用した連携機能を提供します。単一インスタンスアーキテクチャ(Single-instance Architecture:共通の基盤上で一貫して管理・運用できる構成)と事前構築済みコネクターにより、業務効率を高められます。エンタープライズ対応のB2B/EDI(企業間取引データを標準化してやり取りする仕組み)と分散型ランタイム(Distributed Runtime:処理を複数環境に分散して実行できる仕組み)により、将来を見据えた拡張性も確保できます。さらに、集中管理されたAPI管理によって、全体の可視性も高まります。

SAPの機能を最大限に引き出し、さまざまなレガシーシステムとスムーズにつなぐことで、Boomiは業務改善、より的確な意思決定、そして変革の加速を支えます。予測しやすい料金体系により、コスト面での見通しや柔軟性も確保できます。

BoomiがSAPのレガシー連携をどのように変革し、新たな可能性を広げるのか。詳しくは、SAP Integration Planner's Guidebook をご覧ください。

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