DJO Global

ビジネス目標

DJO Globalは、Boomiのエンタープライズ向けiPaaS(Integration Platform as a Service)を活用し、患者の治療に注力しながら医療従事者の収益向上を支援しています。

筋骨格系、血管系、疼痛管理の分野において、高耐久医療機器(DME)ソリューションを提供するグローバル企業であるDJO Globalは、人工膝関節や人工股関節、保存療法製品など、幅広い医療機器を製造・販売しています。同社のミッションは、最先端の医療機器とサービスを通じて、人々が快適に、そして充実した生活を送れるように支援することです。

このミッションを実現するために、DJO Globalは「MotionMD」というソフトウェアソリューションを開発しました。これは、DME請求管理、在庫管理、医師の治療プロトコルの自動化を実現するもので、現場での生産性向上と患者の治療成果改善に貢献します。また、同社のテクノロジーは、医療従事者による請求精度の向上や、保還金の迅速な回収もサポートします。

医師の診療所から病院に至るまで、システム間で患者データを統合することは長年にわたって課題とされてきました。複雑なプロセス、大量の手作業、繰り返される煩雑なデータ入力、そしてエラーが起きやすい紙ベースの書類作業など、多くの障壁がありました。

しかし近年では、請求・収益管理ソフトウェアモジュール、電子カルテ(EMR)、診療所向け管理システムなどの導入が進み、医療機関は「必要な情報を、必要なタイミングで、かつHIPAAのセキュリティ規制を遵守しながら提供する」ためのデータ連携ソリューションの必要性を強く感じるようになっています。

DJO Globalは、Boomiのデータ連携のプラットフォームサービス(iPaaS)が、現場レベルの多様な医療シナリオにも対応できるクラウド型統合テクノロジーを提供していると知りました。この統合基盤により、DJO Globalは医療システム間の相互運用性を促進し、医療費の抑制や患者の治療成果の向上を実現すると同時に、より効率的で患者中心の診療を提供できるようになりました。

「あらゆるフォーマット間で、安全かつコスト効率よくデータを移動できる製品を探していました。Boomiのソリューションは、まさにその要件を満たしてくれたのです。」
DJO Global 情報最高責任者(CIO)、マイク・ピーターズ氏

Boomiの支援内容

医療従事者が直面するデータ共有の課題に対応

急速に変化する医療業界において、診療所や病院は常に、より良い患者アウトカムを実現する診療を提供する必要があります。その一方で、医療費の上昇や返済金の減少という現実的な課題にも対処しなければなりません。効率性を高めつつ、コンプライアンスを維持することは極めて重要です。

DJO Globalは、自社の整形外科向けソフトウェアソリューション「MotionMD」と、患者の電子カルテ(EMR)間のデータ連携を実現することで、現代の医療機関が直面する複数の課題を解決できると考えていました。MotionMDは、システム間の相互運用性(インターオペラビリティ)を提供することで業務効率を高め、治療費と患者アウトカムのバランスをとり、患者満足度と医療機関の収益性の両方を向上させます。これらはすべて、データ入力の簡素化と、データの品質・コンプライアンスの向上によって実現されます。

現在、多くの医療機関では、数百種類にも及ぶ異なるEMRやその他のソフトウェアが使用されています。DJO Globalは、MotionMDがそれらの多様なアプリケーションと柔軟かつ確実にデータを共有できる必要があると考えていました。さらに、医療機関が必要とする情報をスムーズかつシームレスに共有できる仕組みを構築しなければ、業務効率は最適化されず、保険請求が却下されるリスクも高まります。

医療提供の効率化を実現するデータ連携

DJO Globalは、顧客である医療機関が抱えるデータ共有の課題を解決するため、Boomiのエンタープライズ統合プラットフォーム(iPaaS)を導入しました。このプラットフォームを基盤に開発された「DJO Integrator」は、クライアントのEMR(電子カルテ)システムから患者の基本情報を取得し、MotionMDと連携させます。これにより、DME(耐久性医療機器)や治療プランが処方された時点で、MotionMDにも即座に情報が反映されます。

DJO Integratorによってデータが統合されると、MotionMDはEMRに記録された患者情報を一元的に表示できるようになり、診断に基づく治療プロトコルや、機器の支給、請求処理が簡素化されます。これにより、医師はより適切な治療を迅速に提供できるようになります。データ形式にかかわらず — HL7(医療情報の標準フォーマット)、フラットファイル、データベースからの抽出、API連携など — DJO Integrator(Boomiベース)はあらゆる形式に対応し、システム間のスムーズな連携を実現します。

また、Boomi Runtime(ブーミ・ランタイム)というコンパクトな実行エンジンは、異なるアプリケーション間でデータの取得準備が整ったタイミングを検知する仕組みを備えており、この機能がBoomi採用の決め手の一つとなりました。インストールや管理も簡単で、DJO Globalの顧客は、必要なときにのみ患者データへのアクセスを制御できる点を高く評価しています。これにより、セキュリティも確保されています。
業務時間を短縮し、データ品質を向上

MotionMDとDJO Integratorの導入により、データ共有がシンプルになり、紙ベースの書類処理は不要となります。医療機関は、自院のDMEプロトコルを標準化することが可能になり、効率的な運用が実現します。
さらに、患者に医療機器が支給されるたびに、その情報が自動的にMotionMDに反映されるため、在庫管理も簡素化されます。これにより、補充オーダーの正確性が向上し、倉庫への自動補充といった業務の自動化も進みます。

クリニックがデータを効果的に共有することで、オフィス業務の大幅な効率化が実現します。これにより重複作業の排除、エラーの削減、業務効率向上によるコスト削減が可能になります。医療機関にとってのメリットは非常に大きく、データ入力にかかる時間を短縮することにより、患者の診療体験も向上します。

さらに、データ品質の向上は財務面にも大きな影響を与えます。
「EMRからMotionMDへの患者データ統合により、トランザクションのスピードと、クリニックの財務実績の両方で大幅な改善が見られました」と、DJO GlobalのCIO、マイク・ピーターズ氏は述べています。「DJO Integratorを導入したクリニックでは、EMRと未統合のクリニックに比べて、ファーストパス回収率が向上し、請求処理にかかる時間も短縮されています。」

「ファーストパス回収率」とは、保険会社に対して初回請求で支払いが承認される割合を指します。これは、患者データの一貫性や、正確な請求コードが適用されることで、大きく改善されています。

「Boomiの製品は、私たちのニーズに非常にマッチしています」と語るのは、DJO Globalのカスタマーオートメーションソリューション担当、ドナルド・シングリン氏。「小さなランタイムの設置負荷と、強力なデータ変換機能、そしてHIPAA準拠のセキュリティはこの業界には不可欠な要素です。Boomiは、MotionMDおよびDJO Integratorの成功における信頼できるパートナーです。」

主な統合システム

  • Amazon S3

ケーススタディ

Streamlining the Healthcare Supply Chain to Improve the Patient Experience

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あらゆる形式のデータを安全かつ効率的に移動できること、そしてコスト面でもお客様にとって負担にならないこと。この2点を満たすソリューションとして、Boomiは最適でした。
マイク・ピーターズ ー DJO Global 情報最高責任者(CIO)