RHD Tire
大手卸売タイヤディストリビューターのRHD Tireが、Boomi Enterprise Platformを活用しNetSuite上に業務を統合し、プロセスの自動化と配送ルートの最適化を実現しました。また導入支援においては、BoomiのパートナーであるBlue Horseshoeが担当しました。
ビジネス目標
RHD Tireは、GM・Ford・Chryslerの正規ディーラー向けに卸販売を行う大手タイヤディストリビューターで、ミシガン州内に3拠点を構え、州内シェア90%以上という圧倒的な市場シェアを誇ります。
同社の強みは、豊富な製品を取り扱っている点にあります。他の卸業者とは異なり、すべての主要メーカー(Tier 1)に加えて、専門性の高いメーカーのタイヤ製品も取り扱っています。
現在RHDは、従来型の卸売市場におけるプレゼンス拡大を目指しており、個人経営やフランチャイズのタイヤ販売店を新たなターゲット市場としています。
統合における課題
急成長を遂げる一方で、RHD Tireは旧式のPOSシステムに依存しており、大きな制約を抱えていました。このシステムは、創業当初の小売店舗向けに開発された独自のDOSベースのものであり、卸売業務の要件に対応するために、たびたびカスタマイズや調整が必要でした。
こうした状況を根本的に解決するため、RHDは現代的なソフトウェアによるシステム全体の再構築を検討。決定的な転機となったのが、2019年初頭に新たな倉庫をインディアナポリスに開設した際です。この新倉庫を旧来の独自システムで立ち上げようとした結果、大きな運用上の混乱と負担が発生したのです。
Boomiの支援内容
インディアナポリス倉庫での経験をきっかけに、RHD Tireは独自開発のPOSシステムに代わる新たな基幹システムの導入検討を開始しました。2019年第3四半期までに、候補はSAPとNetSuiteの2つに絞られました。その過程で出会ったのが、サプライチェーン領域に強みを持つBoomiパートナーの「Blue Horseshoe」です。同社はRHDのビジネスニーズを精査した上で、NetSuiteが最適な選択肢であると提案しました。
Blue Horseshoeは、RHDの業務全体を深く理解したうえで、NetSuiteを中核とした業務統合の設計・実装を担当し、Boomi Enterprise Platformを通じて各種統合プロセスの管理を行いました。
成果
Boomi Enterprise Platformを介したNetSuiteとの統合により、RHD Tireと取り扱いメーカー間のすべての業務プロセスが自動化・高速化され、データ精度の向上も実現しました。これにより得られた具体的な成果は以下のとおりです:
- 配送ルートの統合率を10%以上改善
- 車両関連費用を15万ドル削減
- 人件費を17.5万ドル削減
- 在庫ピッキングの効率向上と在庫ロスの削減
- 主要パートナーとのリアルタイム情報連携による調達・物流業務の最適化
- 3拠点における購買および在庫管理の中央集約
- 配送ドライバーによる電子署名の取得が可能に
