Cooke Aquaculture
世界70か国で事業を展開する持続可能なグローバル水産物サプライヤーであるCooke Aquacultureは、統合と分析のためのクラウドインフラを利用し、リアルタイムのデータインサイトを活用しています。
ビジネス目標
Cooke Aquacultureは、世界をリードするB2B向け水産物サプライヤーであり、これまでに100件を超える買収を通じて事業を拡大してきました。しかしその結果として、水産物のサプライチェーン全体を担う100以上のグループ企業にまたがって、数百の異なるアプリケーションが存在する状態となっていました。
業務効率と顧客インサイトの向上を図るため、Cookeはクラウドファースト戦略を開始し、分断されたIT環境の簡素化とモダナイゼーションに着手。その中核を担っているのが、統合基盤のBoomiとクラウドデータプラットフォームのSnowflakeです。両者の活用により、Cookeは「信頼できる唯一の情報源(Single Source of Truth)」の構築と、高度なデータ分析によるインサイトの創出を実現しています。
統合における課題
Cooke Aquaculture は、複雑化した IT 環境の中で複数の課題に直面していました。70か国にわたる顧客情報は複数のシステムに分散しており、顧客体験の最適化やクロスセルの機会創出につながる、統合的で多角的な顧客理解ができていませんでした。
同社はまた、受注管理、配送トラッキング、GPS追跡、ラベリングなどの各種システムからデータを集約・分析できる仕組みも必要としていました。これにより、ルートの最適化や、トラックの待機時間・燃料消費・CO₂排出量の削減といった、物流の効率化を実現することが期待されていました。
Boomiの支援内容
Cooke Aquaculture は、コストが高く保守も困難なポイントツーポイントのカスタムコードを置き換えるために、Boomi Integration を採用しました。現在、過去にさまざまなツールや手法で構築された数百の接続を再構築中です。また、オンプレミス環境で稼働していた Microsoft SQL Server のデータウェアハウスを Snowflake に置き換えるプロジェクトも進行中であり、Boomi を使って Snowflake に分析用データを転送しています。
さらに Cooke は、複数の ERP や受注システムから顧客データの「ゴールデンレコード(一元化された正確なデータ)」を生成するために Boomi DataHub を活用しています。生成されたデータは、Boomi の Snowflake専用コネクタを通じて Snowflake に転送されます。
成果
Boomi と Snowflake の導入により、Cooke Aquaculture は統合と分析にかかる時間と労力を削減。加えて、リアルタイムで活用可能なビジネスインサイトを、アナリストや意思決定者がすぐに活用できる環境を整備しました。同時に、レガシーインフラに蓄積されていた技術的負債の解消にも取り組んでいます。
現在、Cookeは以下を実現しています:
- 複数システムに分散していた顧客情報を統合し、顧客を多角的に把握
- 受注および顧客とのコミュニケーションを効率化
- 顧客体験の向上と、クロスセルの可能性の発見
- コスト効率と環境負荷を両立したロジスティクスの最適化
- クラウド、オンプレミス、IoTを活用したスケーラブルな統合環境の構築