矢崎トーレス
フィリピンを代表する自動車部品輸出企業が、国税庁の電子インボイスシステムとシームレスに統合することで、より迅速で柔軟な業務運用を実現しました。
ビジネス目標
フィリピン最大のワイヤーハーネスメーカーであり、自動車部品輸出企業としてもトップを誇る矢崎トーレス(従業員数9,000名超)は、新たな規制への対応を迫られていました。フィリピン国税庁(BIR)は、電子インボイス・領収書システム(EIS)を通じて、取引発生日から3日以内に暗号化された売上データを送信することを企業に義務付けたのです。
矢崎トーレスはこれを、DX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させる好機と捉えました。規制への円滑な対応と同時に、業務効率やデータの正確性を高めるため、同社はこの新システムとの連携を通じて、社内ITインフラのモダナイゼーションを図ることを決めました。
統合における課題
矢崎トーレスの従来型ITアーキテクチャでは、請求データの統合や、電子データ交換(EDI)の導入が必要でした。これは、新たな法規制への対応を行ううえで避けられない要件です。
しかし同社は、業務効率化を実現するには、フィリピン国税庁(BIR)との接続を簡素化できるEDIソリューションの採用が不可欠であると認識していました。
このソリューションにより、紙ベースのプロセスを排除し、書類のやり取りを自動化し、手作業によるエラーを削減することが可能になります。さらに矢崎トーレスは、クラウドとオンプレミスの両方に対応した統合基盤を活用することで、社内の各システム、アプリケーション、チーム間でシームレスなデータ連携を実現し、新規制にも柔軟に対応したいと考えていました。
Boomiの支援内容
矢崎トーレスは、グループ会社であるTorres Technology Inc.の支援を受けて、Boomiのローコードであらゆる環境に対応可能な統合プラットフォームをオンプレミスに導入しました。このソリューションにより、暗号化された売上請求書の処理が自動化され、手作業が大幅に削減されたほか、データ品質の向上も実現しました。
Boomiの使いやすいプラットフォームは、矢崎トーレスの請求データとフィリピン国税庁(BIR)の電子インボイスシステム(EIS)との統合をシームレスに実現。柔軟性・拡張性・直感的なインターフェースを備えたBoomiの導入により、これまで複雑だったビジネスプロセスが大幅に簡素化され、同社は法令遵守と同時に、業務のモダナイゼーションおよびシステム間データ統合の効率化というDXの目標を達成することができました。
成果
矢崎トーレスは、Boomi Enterprise Platformを活用することで、社内のデータ、アプリケーション、デバイス、そして人をシームレスに接続し、重要な業務文書への安全かつスムーズなアクセスを実現しました。その結果、同社は多様で複雑な規制にも柔軟に対応しながら、過剰な時間やリソースをかけることなくコンプライアンスを確保できる体制を整えることができました。
さらに、Boomiの大容量データをほぼリアルタイムで処理する能力により、データの信頼性が向上し、業務プロセスも効率化。義務付けられた電子インボイスシステム(EIS)への確実な対応を実現しました。システムの統合とデータフローの自動化を通じて、規制対応と業務の近代化を同時に達成することができたのです。
