iPaaSとは? - 特長や事例をご紹介

iPaaSが注目される背景

iPaaSが注目される背景とは?

iPaaS(アイパース)とは、クラウドやオンプレミス、SaaSなどシステム上に存在するデータをかんたんに連携するためのプラットフォームのことです。システム間のデータ連携は以前からETLやEAIと呼ばれるツールで行われていましたが、なぜ改めてiPaaSと呼ばれる製品カテゴリーが必要となってきたのでしょうか?ここでは、iPaaSが注目されるようになった背景として3点をご紹介します。

クラウド利用の増加

皆様ご存知のように、日本でもパブリッククラウドなどのクラウドの利用率が増加し続けています。2022年時点で約7割*を超える企業が何かしらのクラウドサービスを利用しています。その結果、従来のオンプレミスで利用していたシステムとクラウドを利用したサービスの間でのデータ連携が必要となってきています。
*(出典)総務省「通信利用動向調査」

SaaSの利用増加

前述のクラウド利用増加にも関係しますが、企業でのSaaSの利用増加もiPaaSが注目される背景になっています。ある企業での調査*では1社あたり平均89のアプリが利用されており、従業員が2,000名以上の企業に絞ると平均211のアプリが利用されているという調査結果があります。その結果、各SaaSアプリケーション間のデータ連携が必要となり、iPaaSによるデータ連携が注目されるようになりました。
*(出典)Okta社「Businesses at Work 2023」調査結果より

データ連携の開発速度向上と一元管理

オンプレミスとクラウド上のシステム、それに加えて増え続けるSaaSの利用によって、各システム間のデータ連携の要望は増え続けています。しかしながら、従来のコーディングによる1対1のデータ連携の開発ではコストと開発速度の観点でニーズを満たせなくなってきました。そこで、ローコードやすでに開発済みのコネクターによってデータ連携の開発速度の向上が期待されるiPaaSが注目されるようになりました。さらに、ガバナンスの観点からも、データ連携を一元管理する必要があり、その点でも1つのプラットフォームでデータ連携を管理できるiPaaSが注目されるようになりました。

iPaaSの機能や特長

iPaaSの特長とは?

iPaaSは業務自動化や、ITモダナイゼーション、およびサービス指向アーキテクチャ(SOA)などを実現するためにクラウドサービスで提供されています。もちろん、クラウドとクラウド、クラウドとオンプレミス、オンプレミスとオンプレミスといったお客様のご要望に応じた環境のデータ連携をサポートします。リアルタイムでのデータ連携をサポートし、抽出、変換、ロード(ETL)、や電子データ交換(EDI)などの大量のデータ処理の要求も満たすように拡張できます。では、iPaaSの主な特長とはどのような点があるのでしょうか?

ローコードによるデータ連携の開発

必要なシステムのデータ連携をローコードによって開発することが可能です。また、よく利用されているSaaSやERP、DBなどとのデータ連携のためにもすでに構築済みのコネクターが提供されており、ドラッグ&ドロップによって利用することが可能です。そのため、コーディングによるデータ連携の開発に比べて、開発工数を削減することが可能です。

クラウドネイティブ

データ連携の開発や拡張性、可用性、冗長性などクラウドの利点を十分に活用した製品のアーキテクチャーになっています。そのため、データ連携のためのITインフラの新規購入や運用などの負担が発生せず、コスト削減につなげることが可能になります。

オープン

iPaaSによってデータ連携を開発する際は、様々なベンダーが提供するソフトウェアとの連携が検討されます。そのため、特定のベンダーやプラットフォームにとらわれることなく、様々な製品との連携に対応しています。

データ連携の一元管理

今までのデータ連携は、連携したいシステム間を点と点で結ぶように連携していました。そのためデータ連携が必要になると都度開発や変更が発生し、管理にかかる工数が増えていました。しかし、iPaaSは1つのプラットフォームでデータの連携を開発・管理ができます。そのため、データ連携を可視化して管理工数を削減できます。また、企業のデータの信頼できるソースとしてデータを一元管理できるようにもなります。

分散型であること

連携したいデータは世界中のクラウドだけでなく、企業の点在するオンプレミスシステムにも存在しています。そして、発生するデータ量は一定ではなく急増することもあります。そこで、低遅延かつ高パフォーマンスのデータ連携を実現するために、iPaaSは分散型のアーキテクチャーを取っている必要があります。

iPaaSと類似製品

iPaaSと類似製品との違いとは?

クラウドサービスの利便性が認識され、多くの企業に導入されていく中で、ETLやEAI製品を提供していた多くのベンダーも iPaaS へ移行しました。また、iPaaS製品からインテグレーションに参入したベンダーも多数あります。ETLやEAI、ESBの機能はiPaaSに集約されています。iPaaSはインテグレーション製品の最前線と言えるでしょう。
詳細はこちら「iPaaSとETL/EAI/ESBを解説 | Boomi Integraion に至るまで」

ETLとは?

ETLとは Extract Transform Load の略です。あるシステムからデータを抽出し、フォーマットを変換し、別のシステムへ書き出すという一連の処理が名前になっており、データベースなどからデータを抽出、加工して、分析のためのシステム(データウェアハウスなど)へ書き出すというのがETLの用途です。対象データを夜間バッチで収集し、分析のためのシステムへ書き出すと運用が一般的で、現在でもバッチで行う大容量データの要件ではETLと言う用語が使われます。

EAIとは?

EAIとはEnterprise Application Integrationの略です。企業に存在するアプリケーションを統合しようというコンセプトの製品です。標準インターフェイスやAPIを提供するアプリケーションが広く普及したことにより、技術的に可能になりました。最大のメリットは、管理運用性の飛躍的向上で、EAI製品を導入すると、ハブ&スポークと呼ばれる構成(バス型というのもありました)を取ることができます。

ESBとは?

ESBとはEnterprise Service Busの略です。EAI製品を用いてインテグレーションを実現するにあたり、多くの方がぶつかる疑問がありました。ただEAI製品を介して繋ぐのではなく、統合のベストプラクティスはないのだろうか、最適なアーキテクチャーは何か、という疑問です。そこに特化して出現したのがESBです。ESBは、サービスをインテグレーションします。システム、アプリケーション、データなどのテクニカル面から統合を捉えるのではなく、ビジネス面から考えます。具体的に言うと、注文受付という処理があり、注文受付を細かく見ていくと、製品の在庫確認を行い、在庫があれば在庫割り当てを行うといった一連の処理があります。それらをサービスとして捉えます。本来の統合の目的であるビジネス要件の実現に立ち返り、ビジネス観点から統合を捉え、サービス指向は広く支持されています。

BoomiのiPaaSのメリット

お客様の組織にもたらすiPaaSのメリットとは?

お客様がクラウドのスピードや機敏性、経済性を活用しようとするにつれ、既存のシステムと新しいシステムのデータを新しい方法で連携する必要性が高まっていきます。iPaaSは、お客様が今日のビジネス環境のデータ連携の要件に対応し、将来にわたって活用できるソリューションとなり、IT投資の価値を高めます。Boomiのお客様は、はっきりしたコスト削減と導入期間の短縮という大きなメリットを実感しています。iPaaSがお客様の投資収益率の向上、タイム・トゥ・バリューの短縮、ビジネス成功の拡大をどのように支援できるかをご覧ください。

データ連携にかかっていたコストの削減

Boomiの柔軟性に優れたマルチテナントアーキテクチャにより、お客様が基盤としているシステムのデータを安全に連携できるようにします。BoomiのiPaaSは、Boomiがソフトウェアとインフラストラクチャを管理および更新し、お客様に定期的なアップグレードを提供します。 これにより、お客様はデータ連携の実装時には、ソフトウェアのインフラストラクチャを購入、導入、管理、保守する必要がなくなります。

様々な規格に対応

iPaaSは、一般的な転送方法をサポートし、非標準データフォーマットに汎用変換機能を提供します。 また、B2B、EDI、標準ベースのWebサービス、医療向けHL7といった業界固有の標準など、さまざまなエンタープライズ統合シナリオもサポートします。

リアルタイムのデータ連携をサポート

SaaSアプリケーションの普及とデータの爆発的な増加により、多くの場合、リアルタイムの情報交換と、ほぼリアルタイムのローレイテンシー処理が必要になります。これらの機能をiPaaSプラットフォームに組み込むことで、より広範な統合要件を満たし、複雑さを最小限に抑えることができます。

機械学習を利用した効率化

プラットフォームの匿名使用メタデータを収集して集約し、Boomiコミュニティが利用できるようにすることで、データ連携の構成、テスト、および実装にかかる時間を短縮できます。 たとえば、各データのフィールドをマッピングするときに、リポジトリはユーザーが新しいデータマップを作成するために利用できるメタデータマップを取得します。 データ連携を、少ないエラーで迅速に構築できるようになり、タイム・トゥ・バリューが短縮されます。

分散ランタイムエンジン

すべてのデータが単一のバスを通過する従来のミドルウェアソリューションとは異なり、iPaaSのデータ連携プロセスの開発および管理はクラウドで行われます。 開発されたプロセスは、ランタイムエンジンにパッケージ化され、クラウドやオンプレミスにデプロイすることで、顧客固有のセキュリティやレイテンシーの問題に対処することができる。

使いやすい一元管理

iPaaSのソリューションは、企業全体のデータ連携を作成、導入、監視、および管理するための直感的なWebベースのコンソールを提供します。 お客様は、すべてのプロセスを一元的に把握できます。

予測可能で手頃な価格設定

サブスクリプションサービスとしてのiPaaSは、予測可能で管理可能な価格設定で、お客様は必要なものを利用量を不安に思う必要はありません。

BoomiのiPaaS事例

BoomiのiPaaS事例とは?

では、iPaaSの具体的な活用方法はどのようなものがあるのでしょうか?iPaaSはSaaS間の連携といった小規模なデータの連携から、企業間の事業買収に伴うシステムのデータ連携の構築まで、幅広い分野で利用が可能です。こちらでは、Boomiのお客様事例をもとに、iPaaSの活用事例についてご紹介します。

SaaSと基幹システムの連携

このお客様はグループ企業の社内インフラの中枢である基幹システムを長年自社開発していました。しかし、営業現場を中心にSaaSの利用が高まる中、データ連携の自動化が喫緊の課題となっていました。そこで、BoomiのiPaaSを利用して基幹システムとSaaSを連携わずか1ヶ月以内で実現しました。
事例を読む

新サービス開発にかかる期間を短縮

ベルギーの大手金融サービス企業では、新サービス開発に必要なシステム間のデータ連携をBoomiで実施、開発期間を9か月に短縮しました。また、システム間のデータ連携により、お客様の利用開始までの期間も数か月から数日に短縮し、顧客満足度の向上に繋げました。
事例を読む

ITモダナイゼーション

カナダの食料品製造メーカーはオンプレミスからクラウドのSnowflakeへとDWHを移行、その際、ERPや販売注文システム等のマスターデータの作成とデータ連携をBoomiにて実施し、レガシーインフラストラクチャの技術的負債解消につなげました。
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新入社員のオンボーディングを効率化

著名な製薬企業モデルナ社ではBoomi製品を使っています。本事例では、急増した新入社員の受け入れ作業においてBoomi製品を利用し、人事システムとワークフロー製品を連携、一貫した人材のマスターデータによってシステムの権限設定などオンボーディングにかかるマニュアル作業を削減しました。
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事業買収に伴うシステム統合

1895年にトリノで創立されたLavazzaは事業買収に伴うシステム統合をBoomiのiPaaSを利用して実施、わずか5ヶ月で15のシステム統合を行いました。その過程にて、過去から利用され、ブラックボックス化していたデータ連携の可視化にも成功しています。
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iPaaSカテゴリーのリーダーの1社

BoomiはIDC MarketScape: 世界におけるクラウドインテグレーションソフトウェアとサービス(iPaaS) 2023 ベンダー評価 においてリーダーの1社と評価されました。

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